主作用をどれだけ受ければ害が出るのか? それは個人差が非常に大きいです。 近年は科学的な思考が行われることが多いために、一日目安量○○mgとか、一回○錠とか、○○運動は○回○セットなどと細かくマニュアル化していることが多いですが、こんなの真に受けていては本来の効果を得ることはできません。 薬にしても運動にしても食事にしても生き物は計算だけでは理解できないのです。 生きている人間の個人差のある体にどれだけ作用させれば最大に有効なのか?を見極めて行うことが必要です。
主作用より先に副作用が出る人もいれば、いつまでたっても効果がない人もいる。かと思うと少しの刺激で効きがすごく良い人もいる。 これはその人の感受性や体質、体調など様々な要素で変化しますので、貴方に最大効果を出す刺激量を厳密に知ることはできないのです。
ではなぜ、多くの商品にマニュアルが有るのでしょうか? これは効果を出すことよりも害が出ないことを優先しているからです。 以前の記事で書いたように効果のあるものは必ず副作用があり、副作用が出なくても効果そのものが体に害を及ぼすこともあります。 効果が出ないのは商品の責任を追求することは難しいですが、明らかな害がでれば因果関係が簡単に判明し責任を追求されます。 つまり、マニュアルにある数字は多少の余裕を持って平均的なものより少なく記載されていることが殆どです。
西洋医学では人間という種を一応、皆同じものとして考えています。 男女差、年齢差、人種差、体重差、生活圏差、栄養状態の差、衛生環境の差、こういった医療効果に係る要因を先ずは考えずに人間用として商品を作ります。 その後、効果や副作用などの不都合が生じるに従い科学的に区分していくのですが、そこで使用量や作用を調整した新商品を「○○用」という形で開発します。
東洋医学の場合、人間を主には考えていますが、西洋医学とは逆に先に要因を考えて医療を組み立てることが多く、その効果範囲は人間以外の生物にも及びます。先に要因が決まるということは患者一人一人に応じた治療を組み立てるということであり、先ずは定形の治療を考えそこから区分けをする西洋医学とは明らかに違います。
この差があるため、同じ治療を行ったとして、西洋医学では「治療が合わなかった」というバッサリと切り捨てる判断になるものが、東洋医学では明らかに誤治。医者の判断ミスだということが起こります。医者のミスだということが分かるということは訂正が可能であり、治療が進展するということでもあります。 こういったケースの場合、西洋医学は「今ある治療に合った人間が治る」ものであり、東洋医学は「人間に合った治療をすれば治る」という考え方になっていきます。
どちらが良いというものではありませんが、この考え方の違いは健康になるためのヒントになっていることに間違いはありません。
※ここで出てくる医者とは医師限定ではありません。西洋、東洋、手技などを問わず医に関わる全ての人達です。